- この記事の目次
- 自分の命は自分で守る
- 子どもの自己肯定感を育むには
- 最後までやってみることで自己肯定感が高まる
- 親の関わり方で、子どもの将来が変わる
”自分の命は自分で守る!”
数年前、愛知県田原市の小学校における避難訓練の様子が夕方のニュースで紹介されていました。この小学校の児童は、津波発生時には近くの山頂へ避難する必要があります。避難訓練後のインタビューで、一人の女の子がこんなことを力強く話していました。
「自分の命は自分で守る!」
この言葉は、まさに「ヘルスプロモーション」の根幹となる概念そのものです。
ヘルスプロモーションは、「人々が自分自身の健康をコントロールし、改善することを可能にするプロセス」と定義されています(WHO:オタワ憲章、1986年)。
ヘルスプロモーションの視点は日本における保育・幼児教育の中にも早くから位置付けられてきました。これは、平成元年改定の幼稚園教育要領、平成2年改訂の保育所保育指針から、保育内容「健康」の中に「自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う」というヘルスプロモーション的考え方が盛り込まれたことからわかります。
先述のニュースで感銘を受けたのは、「自分の命は自分で守る!」と子ども自身がコメントしたことです。この言葉には行動を起こすことの自信が感じられます。この自信は自己効力感(self-efficacy)と呼ばれ、行動をはじめたり、それを頑張って続けたりすることに強い影響を与える概念です。
自己効力感を育むには、「できた!という達成感」「誰かが成功する様子の観察」などが大切だとされています。そのため、自分で自分の命を守る子どもに育つためには、子どもたちの「やってみたい」「こうしてみたい」という気持ちを大切にしながら、子どもたちが主体的に挑戦できる遊びの環境づくりが大切だと考えられます。今日の保育・教育でも大切にされている「主体性」は、こういった意味でも大切ということですね。
子どもの自己肯定感を育むには
自己効力感と似たような概念の一つに、自己肯定感があります。これは、「自分はこれでいいんだ」など、自分を自分で認めてあげる気持ちです。以前、マラソンの選手が、「自分で自分を褒めてあげたいと思います」とコメントされていましたが、このような気持ちも自己肯定感に含まれるものだと思います。
子どもの自己肯定感を育むためには、周りの人に認めてもらうことが大切だから、学校ではお互いに褒め合うと言った授業や取り組みが行われたりします。これは素敵なことだと思います。一方で、「褒める」という行為を嫌う心理学者もいます。それは、褒めることで「上下関係が生まれるから」「操作的になってしまうから」と言った理由です。
確かに親としては、子どもにこうなってほしいという理想を持ちながら、子どもが理想の行動をとった時は褒めるということをついやってしまっているかも知れません。社会性を身につけるという意味ではやむを得ない部分はあると思いますが・・・。
最後までやってみることで自己肯定感が高まる
最後までやってみることは、子どもの自己肯定感を育むために大切です。時には逃げてもいいのは当然なのですが、「嫌なことがあったら必ず逃げる」という逃げ癖を子どもの時につけてしまった場合、チャレンジそのものをしないため、「できた!」という体験にも出会いにくくなり、自己肯定感が下がってしまうと思います。
子育ての中で、「手を出したい」「助けたい」と思うことはよくあるのですが、グッとこらえて、子どもが納得するまでじっと待つ勇気も大切なのかも知れません。
親の関わり方で、子どもの将来が変わる
アメリカンインディアンの教えだそうです。
•批判ばかり受けて育った子は非難ばかりします
•敵意にみちた中で育った子はだれとでも戦います
•ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります
•ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持ちになります
•心が寛大な人の中で育った子はがまん強くなります
•はげましを受けて育った子は自信を持ちます
•ほめられる中で育った子はいつも感謝することを知ります
•公明正大な中で育った子は正義心を持ちます
•思いやりのある中で育った子は信仰心を持ちます
•人に認めてもらえる中で育った子は自分を大事にします
•仲間の愛の中で育った子は世界に愛をみつけます
素敵な言葉ですね。忘れないように、疲れた時は見返しながら、生きていきたいと思います。
子どもの将来のために育みたい力については、こちらの記事でも紹介しています⬇️