- この記事の目次
- 食べ物に極端な好き嫌いがある幼児の特徴
- 子どもの好き嫌いにかかわる保護者の養育態度
食べ物に極端な好き嫌いがある幼児の特徴
食べ物に極端な好き嫌いがある幼児の特徴を調べた研究報告があります(濱名、食育と保育をつなぐ.建帛社.2018)。 食べ物に極端な好き嫌いがある幼児とない幼児の特徴を比較した結果、以下のような違いが認められています。
- 極端な好き嫌いがある子どもの特徴
- 諦めやすい
- 非協調的
- 友だちの数が少ない
- 対応に柔軟性がない
- 新しい活動に対し取組みが消極的
- 食事に時間がかかる
- 人間関係の取り方が消極的
- フォロワー的
- 極端な好き嫌いがない子どもの特徴
- 協調的
- 友だちの数が多い
- トラブルが少ない
- 対応に柔軟性がある
- 同調性が高い
- 着替えが早くて丁寧
- 集中して遊びこむ
- 新しい活動に対し取組みが積極的
- 食事に時間がかからない
- 人間関係の取り方が積極的
- リーダー的
- 粘り強い
因果の方向がわからない(粘り強いから好き嫌いが少ないのか、好き嫌いが少ないから粘り強いのかはわからない)のですが、食べ物の好き嫌いと幼児の性格や生活には関連がみられるようです。だからといって、焦って好き嫌いをなくす必要はありません。子どもの気持ちをしっかり見つめて受け止めながら、いつか食べられる物が少しでも増えることを信じて、ゆっくり待つ姿勢が大切だと思います。
子どもの好き嫌いにかかわる保護者の養育態度
上記の研究では、 子どもの好き嫌いにかかわる保護者の養育態度 についても検討しています。調査の結果、以下のような特徴がみられたそうです。
- 極端な好き嫌いがある子どもを持つ保護者
- 保護的
- 服従的
- 極端な好き嫌いがない子どもを持つ保護者
- 拒否的でも保護的でもない
- 服従的でも支配的でもない
私自身、子どもにはついつい保護的・服従的になってしまいがちですが、中間的なかかわりが子どもの食にポジティブな影響を与えるようです。このような保護者のかかわり方のこどもへの影響は、食に限らず睡眠などの生活習慣に関する研究でも明らかにされています。子育てをしていると、支援すべきか待つべきか、助けるべきか見守るべきか、悩ましいことが多いですよね。このバランスは永遠に議論のテーマかも知れませんね。
特に子どもが幼い時に大切なのは、「お母さん」の心の安定といわれます。次に子どもの心の安定です。お母さんが無理をしすぎると子どもにとっても良くないということです。そのため、子どもの成長はもちろん大切ですが、お母さんも自分自身を大切にして日々を生きることが大切なようです。一応、お父さんの気持ちも考えて書いておきたいのですが、近年、国内外で父親の「産後うつ」についての研究が進んでいます。お母さんが子供を産んだ後は、お父さんも精神的に落ち込みやすくなってしまうようです。
当然のことですが、外部からのサポートも得ながら、家族みんなで支えあう子育てが大切なのだと思います。私も忘れないように、家族の気持ちに敏感でいながら、日々を大切に生きたいと思います。