- この記事のの目次
- 島の子どもの遊びはワイルド
- リスキープレイが育む力
- 心が折れるよりも骨が折れる方がまし
- とはいえ、「子どものケガはこわい」親心
島の子どもの遊びはワイルド
島育ちの私。実家が海の目の前ということもあり、子どもの頃の遊びは、海で泳いだり食べられる貝を拾ったり、山に秘密基地を作ったりという、今思うとかなりワイルドなものばかりでした。
夏は家でパンツ姿になり、玄関から走り出してそのままガードレールを飛び越えて海にダイブ!→ 祖父の船から陸に生還→ また飛び込む。という遊びをよくやっていたのを思い出します。
こういった屋外での少し危ない遊びは「リスキープレイ」と呼ばれています。リスキープレイには、他にも火遊び、迷子になってしまうような遊び、高い場所での遊び、スピードの出る遊びなどがあります。
リスキープレイが育む力
親になり痛感していますが、子どもに危ない遊びをさせるためには、かなりの勇気が必要です。社会的にも子どもの安全を守る視点からの事故予防が求められていますよね。
一方で、子どもの安全を守りたいがゆえに過保護になってしまい(私もその一人かも)、その結果子どもの遊びの制限に繋がることが問題視されています。
安全性と同じように、危ない遊びも子どもの発達や心と体の健康にとってとても大切だと考えられているためです。実際に、最近の研究ではリスキープレイを制限しすぎることにより、子どもの発達が阻害されることが心配されています。
システマティックレビュー(世界中の論文を一定の基準で集めて精査し、内容を比較する方法)により、リスキープレイの利点と弊害について科学的に検討した報告では、リスキープレイが3歳から12歳までの子どもの様々な健康指標や行動に対して良い影響を与えることがわかっています。
具体的には、リスキープレイを支援する環境は子どもの「身体活動」や「社会的健康」と正の関連があり、子どもが「遊ぶ時間の延長」「社会的交流」「創造性」「レジリエンス(回復力・折れない心)」の向上を促進するという結果や、高い場所での遊びは骨折の頻度や重症度とは関連していないという結果が報告されています。
子どもの頃にリスキープレイをしていれば「生きる力」が身に付く、と言っても過言ではないようです。
それにしても、高い場所での遊びが骨折の頻度やケガの重症度とは関連しないというのは、驚きですね。
心が折れるよりも骨が折れる方がまし
イギリスでは、国会議員のグループが作成した報告書の発表を発端に、意図的にリスクを取り入れた遊び場が作られてきたそうです。
ここ日本でも冒険遊び場が広まっています。発端は、アレン・ハートウッド卿夫人の「都市の遊び場」を大村璋子・虔一夫妻が翻訳したことだそうですが、アレン・ハートウッド卿夫人は
「心が折れるよりも骨が折れるほうがまし」
という言葉を残しています。素敵な言葉ですね。確かに骨折よりも心が折れることの方が大変なことのように思います。
とはいえ、「子どものケガはこわい」親心
とはいえ、子どものけがはこわいですよね。
ニュージーランドで実施されたリスキープレイに対する保護者の態度を調べた研究では、リスクにさらされることにより子どもが得るメリットに保護者は強く同意する一方で、積極的に子どもにリスキープレイをさせる保護者は2割に満たないという結果が報告されています(その気持ち、よくわかります)。
保護者には、「目の前の」子どもの安全だけでなく「将来の」子どもの安全を守る観点から、子どもの自由な遊びを見守る気持ちが必要なのかも知れませんね。
私も、娘への「危ない!ダメ!」を我慢する勇気を持ちたいと思います。
子どもの生きる力については、こちらの記事でも紹介しています⬇️