教育・子育て

子どもの食べ物の好き嫌い3

2021年9月12日

  • この記事の目次
    • 苦手な食べ物も工夫して出す
    • 「どうぞ!」と手渡す
    • ヒーローが、食べている話をする
    • 食べることのメリットを丁寧に説明してみる

苦手な食べ物も工夫して出す

引き続き、子どもの食べ物の好き嫌い対策について紹介します。

諦めずに工夫して新しい食べ物を提供すると、子どもの食べられる物が増えたという自閉スペクトラム症の子どもと保護者を対象とした研究報告があります。

お母さんは、子どもの食に対するこだわりがとても強く、特定のものしか食べないことに悩み、心理士さんに相談に行きました。

はじめに心理士さんは、お母さんに毎日子どもが新しく食べたものを記録しておいてください。と伝えます。しばらく記録しても食べられるものは増えませんでした。

次に心理士さんは、お母さんにこれまでの記録に合わせ、お母さんが工夫して出した食べ物の数を記録するようにお願いします。その結果、日に日に子どもが新しく食べられるものが増えていったという研究です。

工夫には、小さく刻んでみる、調理法を変えてみるなどがありますが、子どもの性格やこだわりを良く理解されている保護者などの身近な方が考える方法が良いと思います。

「どうぞ!」と手渡す

これは、シンプルな作戦ですね。しかし、実際に効果的だという研究報告があります。確かに大人でも、「どうぞ!」と食べ物を手渡されたら、つい食べてしまいそうですね。

ヒーローが、食べている話をする

ヒーローが食べている話をすると、子どもが苦手な食べ物を食べたという研究報告があります。

アンパンマンは、アンパンしか食べないかもしれませんが(食べてるというか交換している!?)、「アンパンマンは、ニンジンたくさん食べて強くなったんだよ」などのように、子どもが好きなヒーローの話をすると効果が期待できるかも知れません。

食べることのメリットを丁寧に説明してみる

子どもも3歳くらいになると、なぜ?どうして?と、物事の理由を知りたがることがあります。私は、食べることによるメリットや本当の科学的根拠を伝えることも効果的だと考えています。これは、年長、小学生と学年が上がるとなおさらです。

例えば、ライオンは基本的に肉食です。「ボクも、ライオンさんみたいにたくましくなりたいから、お肉しか食べない」という子どもも出てくるかも知れません。

ライオンは体内でビタミンCを合成できるため、肉食でも生活可能です。しかし、人間はビタミンCを体内で合成できず、食べ物から取るしかないので、生きるために野菜や果物も食べる必要があります。もしも、ビタミンCをずっととらなければ、壊血病という欠乏症になり死に至ることもあります。

このように、食べ物の栄養には役割があり、しっかりとらないと生きていけないから、苦手な食べ物があれば同じ栄養素を含む他の食べ物で補いながらでも、栄養を取ることは大切です。他にも、背が伸びて大きくなれるよ!運動で力を発揮できるよ!など、いろいろなメリットを伝えていくのも効果的だと思います。

次回は、好き嫌いが多い子どもの性格や行動面における特徴についての研究内容を紹介します。

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